受診妨害対応のお願い
これまでも繰り返し取り上げてきました柔道整復師(以下「整復師」という)への受診妨害問題ですが、未だに医師受診を強いる事案があり、公的な制度である整復師生活保護患者への柔道整復師受診妨害でも厚生労働省からも周知徹底を図って頂いており改善しているとの感覚でしたが、昨年(令和5年)も再発の報告がありました。
生活保護受診妨害 参考資料
生活保護だけではなく未だに自賠責保険や傷害保険の治療に際し医師を受診してからでないと整復師への受診や支払いは認めないとする事案の報告があり整復師受診への受診妨害が続いています。
これ等の問題に対して厚生労働省も注意や是正を図っていただいていますが、そもそも「医業類似行為」としていることや「診断」や「診療」などの用語を禁止している用語問題など厚生労働省の誤った行政が大きな原因だと考えます。
医行為は誰が行っても医行為ですので医師以外が業として行うと医師法違反になります。柔道整復師業は医師資格でもできます。即ち整復師業は医行為の一部を医師以外で認められていて医業の一部、部分医業です。また、整復師にはその患者さんの状態が整復師の業務範囲か否か、また、業務範囲内においては傷病名を付けたり、回復に向かっているのか悪化しているのかなど治療の経過などを見極める所謂「診断」をする義務があります。前述の通りこれらの判断行為は誰が行っても「診断行為」です。逆に整復師が医師ではないからと言ってこれらの見極めをしないで、あるいは疎かにして患者さんに負担を負わせるようなことになれば医療過誤として責任を負うことになるでしょう。日本接骨師会では発足以来「診断書」を使用しており全国の警察署や損保会社でも受理されています。そして、更に重大な問題は患者さんの医療選択権の侵害という人権問題です。医師の許しやお墨付きがないと整復師には掛かりたくても掛かれないという問題です。
整復師の診断 参考資料
佐賀県警と小城警察署の交通事故に対する柔整師の診断書拒否事件
電話帳広告における整復師の広告等に「診」の文字の使用について
医療選択の自由 参考資料
金融庁・国土交通省への「医師診断の強要防止の要望」への協力のお願い。
米軍も認めた整復師診断~米軍施設労務者の傷病休暇「整復師医療認可」~
この生活保護の事案も過去の事案を基に速やかに改善されましたが、他の地域では気付かないだけで行政が医師受診を強要している所もまだ多くあるのではないか思われます。また、自賠責保険でも患者さんに対して医師受診強要が未だに行われています。こうした問題も一つ一つ解決していくことも今後の整復師業界の為に、また、患者さんの医療選択権の為にも非常に大切なことですので先生方におかれましても面倒がらずに受診妨害等や差別扱い等の問題がありましたら、このホームページの資料などを参考に対応して頂ければと思います。また、様々な問題で会へ相談や依頼される場合には会としても会員の先生や患者さんの為、出来るだけ早期の解決を目指していますので事前にどの様な問題が発生しどのようにしたいのかを具体的にまとめて、また、事案を時系列にまとめたものや相手の回答を文章でもらうなど問題の事実を裏付ける資料などを作成して頂けるとより迅速かつ的確な対応や活動が可能となりますのでご協力をお願いします。