返戻が増えたと感じる先生方へ
「接骨師会の役割」でも書きましたが日本接骨師会では毎月提出された先生方の請求書を公的審査会などに携わっている先生を交えて独自に審査を行っています。これは会員の先生方が出来る限り公的審査会等から注意や指導といったことにならないよう前もってアドバイスをすることが目的です。あくまでアドバイスで強制するものではないので先生の判断が最優先です。審査委員の方も会員の先生の為になればと思い連絡をしていますので、お気を悪くなさらないでください。
さて近頃、保険者より返戻が増えたと感じる先生が多いのではないでしょうか?また、言葉は悪いですが保険者は以前よりうるさくなったと感じている先生が多いと思います。
近年は特に医療費の増大が問題となっている中、保険者の審査も厳しくなっていると思われます。言うまでもありませんが保険制度は患者(国民)のための制度ですので、整復師も保険制度の円滑な運用に協力しなくてはなりません。そのためにも治療技術と同様に保険制度に対しても知識を深めていかなければなりません。
そこで運用への協力として個々の先生方が出来ることの一つに返戻を減らすの取り組も大事です。
〇パソコンの入力ミスなどのケアレスミスは防げる返戻ですので必ずチェックをするようにしましょう。
〇多部位・長期・頻回についてはその治療の必要性を理解させる説明が必要ですのでコピペで全部同じ文章の記載が繰り返されていれば保険者も疑問を持つでしょう。少しだけ丁寧に記載するよう心がけてください。
しかし、請求書自体以前より記載事項が増え煩雑化し整復師の保険事務作業の負担が多くなり協力にも限界があります。とくに時代おくれの不備、欠陥だらけの現在の柔道整復師法や算定基準自体が問題ですが、さらに保険者の不勉強による間違った解釈で返戻や不支給となるのには協力は出来ません。たとえば算定基準に全て従え、それ以外は支払わないという保険者に対して、厚生労働省も算定基準はあくまで基準であり個々の事案に対して保険者が判断して支払うことに問題はないとしています。これまでも不備欠陥だらけの算定基準なので度々問題が発生しますがその場合、社会通念上問題がなければ支払うものと理解しますが保険者の不勉強などで返戻や不支給となり患者さんが困ってしまうことがあります。そのようなことがないよう、また、時代に合った患者さんの為の整復師医療を目指すためにもこうしたことには声を上げていくことが必要です。
協力しなければならないところと声を上げなければならないところ、こうしたことが判断できるよう保険制度を利用するものとして今後も勉強を続けなければなりません。
現在、コロナ禍にあって講習会等が通常通りの開催が困難な状態が続いていますが、会員の先生方におかれまして保険制度などで困っていることや分らないことがあれば会(事務局)の方にご相談ください。