自賠責保険 医師診断強要問題について
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自賠責保険 医師診断強要問題について

2021年06月15日(火)12:28 PM受診妨害, 自賠責保険

 

 当会では自賠責保険における医師受診、診断、同意書などを強要する損保会社の問題に取り組んできましたが、依然としてこれらの問題で会員からの相談が後を絶ちません。
ご承知のとおり法律で柔道整復師は捻挫・打撲・挫傷(以下 「捻挫等」とする)は医師の同意なく施術できます。
当然のことですが損保会社も法令を遵守して事業を行わなければなりません。整復師の捻挫等の施術は法律では認めているけどウチは認めないという損保会社があるのは如何でしょうか。

 

当会ではこれまでも柔道整復師の捻挫等の施術に対しても医師の関与を必須とする損保会社に対して注意や是正、再発防止の周知徹底の活動を行ってきましたが先に書いたように同様の問題が後を絶ちません。医師の関与は必要なときにお願いするもので、全てに於いて絶対とするべきではありません。まして、法律で認められた業務の範囲でも医師の関与がなければ保険は支払わないとするのは保険者の権限の乱用、また、保険を支払ってもらう患者さんの側からすると優越的地位の乱用となると考えます。

こうしたことから、再発防止のため繰り返しとなりますが参考資料を掲載します。また、実際の事案の紹介も今後掲載していきたいと思います。


また、今回 新型コロナの対応についても医療資源不足が叫ばれ救急搬送も危機的な状況になった所もあり、とりわけコロナ治療やワクチン接種に対応してくれる医師不足が問題となりました。
当会では以前より限られた医師医療を有効に利用するためにも規制を緩和して、医師でなくても出来ることは他に分担することで医師の負担を減らし、医師はより高度な医療の提供に努めていただけるような規制緩和による医療界全体の働き方改革が必要だと訴えてきました。
今後、大規模震災や新型コロナよりも致死率の高い鳥インフルエンザなどが予想されているなか緊急事態に備えるためにも「医師の関与」について緩和していかなければならないと考えます。

 

 

 

参考資料

 

 資料1 令和2年  厚生労働省社会・援護局地域福祉課 消費生活協同組合業務室より当会への報告

 

                                   令和2年9月17日

日本接骨師会会長

登山 様

 

当室より全労災に要請し、同連合会が内部に周知徹底した内容について、以下のとおりか回答いたします。

 

柔道整復師の施術のうち、「打撲又は捻挫の施術」及び「脱臼又は骨折の応急手当」については、医師の合意を得る必要がないこととされていることから、これらの施術の費用を共済金の対象として支払う際に、一律に医師の同意をとることを要件としないこと、また被害者等外部の方へは、懇切・丁寧な対応を行うことを、9月11日に全労災経営企画部調査渉外室渉外課を通じ、同連合会の自動車損害調査センターに要請しました。

同連合会より、当室が要請した内容を各地方損害調査センター及び各都道府県損害調査サービスセンターに周知徹底したと報告を受けました。

                            厚生労働省社会・援護局地域福祉課

                                 消費生活協同組合業務室

 

 資料2 平成8年 日本損害保険協会より当会からの申入れに対する連絡 

平成8年11月15日

協同組合 日本接骨師会  御中

                              社団法人 日本損害保険協会

                              自動車保険部損害調査グループ

 

柔道整復師の施術に関する弊協会における対応を、下記のとおりご連絡を申し上げます。

 

 

  •  平成8年10月23日開催の関係委員会において、交通事故治療に関して損害保険会社として医師の診断を求めるにあたっては、画一的・硬直的な取り扱いをせず、個別・具体的事情を十分勘案のうえ、営業妨害となるような対応は一切行わないよう留意することを確認した。

 

 資料3 上記案件の各損保会社への通知

平成8年10月23日付自動車損調研究会における柔道整復師の施術についてのお願い

 

 柔道整復師の施術については、法令等により一定の業務範囲が定められており、この範囲内であれば医師の同意を得ずともその施術を行うことができることとなっている。交通事故治療に関し、損保会社として、相当因果関係の有無・範囲の確認等のため医師の診断を求めるにあっては、画一的・硬直的な取り扱いをせず個別・具体的事情を十分に勘案のうえ、柔道整復師にとって正当な職務に対する営業妨害と受け取られるような対応は一切行わないよう十分留意するものとする。

また医師との資格差を理由に整復師への受診を妨害抑制する、あるいは、医師の診断を画一的に求める等を統一的に定めている規定等は、自算会においても一切定めていないことを十分認識のうえ仮にもそのような規定があるかごとき対応を行わない点についても併せて留意する。



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