算定基準を告示準拠に戻し療養費の適正化へ
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算定基準を告示準拠に戻し療養費の適正化へ

2022年05月09日(月)7:14 PM協同組合日本接骨師会

 日本接骨師会では整復師の療養費を告示に基づいた算定基準の改正を強く要望してきました。以前にも「柔道整復療養費の算定基準改正に告示準拠の要望」にて解説の通り柔道整復師の療養費は診療報酬の改訂料率の1/2 改訂の手法では格差を拡大し続け、ましてや、この手法の根拠の説明はなく、「慣例」との説明だけでまさに「官製格差」です。 またこの「慣例」ですが以前は整復師も医師点数表と同様の算定基準が存在していましたので(「柔道整復療養費の算定基準改正に告示準拠の要望」資料参照)この1/2 改訂の手法は厚生労働省が勝手に決定しその過程や根拠も示さずブラックボックスのなかで慣例化されました。

こうした柔道整復師の療養費を公の場で議論する為に当時、民主党政権の下でようやく出来た柔道整復療養費検討専門委員会ですが、実際には不正防止対策として規制を強める議論ばかりされており、当会より実際にこうしたことに抗議や要望をするも「委員会で決めた。」「あなたたちの代表が決めた。」など厚生労働省の良い責任転嫁の場所となっています。またこの1/2 改訂のおかしな慣例にてついても見直しの気配すらなく、逆にこの委員会が厚生労働省を追認する御用団体、御用組織として利用されているように感じます。

今回はこの1/2 改訂のおかしな慣例以外でも「格差」というより「差別」と思われる算定基準について紹介します。

 

例えば、休日に乳幼児が肘内障で整復を受けた場合の医師を受診した時の診療報酬と柔道整復師を受診した時の療養費の比較です。

 

医師診療報酬

初診料

保険医療機関において初診を行った場合に算定する 288点 

    2,880円

 

休日・乳幼児加算

保険医療機関が表示する診療時間以外の時間(深夜(午後10時から午前6時までの間をいう。以下この表において同じ。)及び休日を除く。以下この表において同じ。)、休日(深夜を除く。以下この表において同じ。)又は深夜において初診を行った場合は、時間外加算、休日加算又は深夜加算として、それぞれ85点、250点又は480点(6歳未満の乳幼児の場合にあっては、それぞれ200点、365点又は695点)を所定点数に加算する。

    3,650円

 

手術料

手術 関節脱臼非観血整復術  肩鎖、指(手、足)、小児肘内障 960点  

    9,600円

 

手術・乳幼児加算

3歳未満の乳幼児又は3歳以上6歳未満の幼児に対して手術(区分番号K618に掲げる中心静脈注射用植込型カテーテル設置を除く。)を行った場合は、乳幼児加算又は幼児加算として、当該手術の所定点数に所定点数の100分の100又は100分の50に相当する点数を加算する。

    9,600円

 

手術・休日加算

緊急のために休日に手術を行った場合又はその開始時間が保険医療機関の表示する診療時間以外の時間若しくは深夜である手術(区分番号K914に掲げる脳死臓器提供管理料及び区分番号K915に掲げる生体臓器提供管理料を除く。)を行った場合において、当該手術の費用は、次に掲げる点数を、それぞれ所定点数に加算した点数により算定する。

休日加算2 所定点数の100分の80に相当する点数  

    7,680円

 

 

 

整復師料金はご存知だと思いますので詳細は省略させていただき、比較し易いよう表にてご覧ください。

 

柔道整復師 療養費との比較表 PDF参照

 

確かに資格や能力に差がありますが片やその労に対に応じて報酬があり、片やそれは労とはならない、労とは認めないとするのは資格の差で済まされるものなのでしょうか。雇用などで資格によって差が生じるのは理解できますが同じ仕事をした際の公的料金で資格により上記のような大差が発生するのは如何でしょうか。こうした整復師の無償問題や患者への負担転嫁など問題が多い時代おくれ、患者置き去りの今の柔道整復師の療養費制度を改めるため日本接骨師会では以前より長きにわたり「告示準拠の算定基準」を要望しています。

 

今後、柔道整復療養費検討専門委員会におかれては整復師医療がより国民の為に活かせるような療養費制度の改正の議論を期待します。



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