日本柔道整復・接骨医学会による「認定柔道整復師」について
今回は、以前にご紹介いたしました厚生大臣指定講習会と同様の、日本柔道整復・接骨医学会による「認定柔道整復師」についてご紹介します。
こちらも当時、当会(協)日本接骨師会会員から問い合わせがあったものに対し厚生省(現厚生労働省)に照会して回答を得た事案です。
基本的注意点
1.日本柔道整復・接骨医学会の柔道整復に関する勉強は良いことと考えます。どの様なことをどの標に勉強するのかという事について注意すべき点もありますが、「整復医調や「整復師社会の制度」など、医学や医事法制に関して勉強することは良いことと考えます。
2.権威主義・名誉主義の注意。整復医学や整復師社会の研究や勉強は良いことと考えますが、このことが権威主義や名誉主義の利用の対象になるようなことがあれば、そうしたことそのものの弊害とともにその弊害の道具とされるものについての注意も大事なことです。例えば「認定柔道整復師」を設け、この資格をもつ者を他の整復師との間に差異をつけるようなことは、本来、当事者間の事であり、非会員には無関係のものですが、しかし、資格を持つ者の通例として、その資格を少しでも広く訴え多くの者に知らしめたいとすることが多いもので、こうしたことの注意です。
3.当(協)日本接骨師会会員の姿勢について、当会は、基本的には各自の自由意思による取り組みを紹介しています。従来、前述1.2の注意点を考えた上で各自の自由意思によるとしています。
実は同様な問題として柔道整復師が高卒2年から高卒3年の養成制度に改まり、その際『厚生大臣指定講習会」が開催され、この参加者を募るためあたかも「2年制の知事免許」が講習を受けると「3年制の大臣免許」に改められるなどということがありました。もとより誤解ですが、しかし、当会会員から、そうした誤解させる主催者・関係者の案内の提示があり、当会より厚生省当局に誤りの注意を要望した次第です。勉強することは良いことですが、これを乱用して整復師を誤解させ、不安に陥れ、参加者と募るということは重大な問題です。
当会では
当時、当会では、会員の本件への参加については各自の自由にまかせておりました。しかしながら、会員からは広く一般に呼びかけているパンフレットなどを見て、その真意が不明のため一抹の不安を感じ当会に問い合せをしてきたことを考慮し、さらに具体的に会員の心配を解決するため厚生省に次のような照会を行い、回答を賜りました。
厚生省への照会
厚生省からの回答
以上の回答です。
厚生省は、「認定整復師制度」については無関係としています。勉強することの意義の大事は誰も否定しませんが、今回の本件については各照会の疑義以前に当局として無関係としています。先の「厚生大臣指定講習会」での疑義についても当局の回答を報告しましたが、今日、多くの講習会や勉強会が開催されています。誤解や不安に惑わされないよう今回の回答が参考になれば幸いです。