治療内容「骨折」表記不適合問題と広告制限
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治療内容「骨折」表記不適合問題と広告制限

2020年09月05日(土)10:29 AM協同組合日本接骨師会, 受診妨害

 以前、山形県で発生した事案で看板に診療時間や休診等の「診」の文字の使用を不可とした問題で当会会員より指摘を受け「違法ではない」とした事案がありましたが(行き過ぎた広告規制について 参照) 今回、岩手県での保健所の立ち入り検査において院内掲示の紙に診療内容に「骨折」と書いてあるので剥がすようにとの指摘受けたとの報告ありましたので報告いたします。

 

2月下旬 ・ 保健所より「立ち入り検査」の事前連絡が入る

 

3月   ・  保健所職員より

      立ち入り検査にて院内の張り紙を見て「骨折とかいては患者さんに誤解を与えるので剥がし

      てください。」との指摘を受ける。

 

      ・   整復師より

      骨折・脱臼と書かなければ柔道整復師という資格が何をする仕事か患者さんは分からない

      柔道整復師は骨折・脱臼・捻挫・挫傷の治療を行う資格があり、骨折・脱臼は医師の同意を受ける

      というだけで違法ではない。

 

      ・   保健所の対応

          写真をとり検討するとのことで帰った。

 

3月     ・   立ち入り検査 結果通知が届く

     「気施術所に不適合事項は認められませんでした。」(参考 通知

 

 以上、当会会員より、同様な事案が発生した時の参考にしてくださいとの報告がありました。

 

 

 

現在、不適切と思われるチラシ広告や看板・店頭掲示が非常に多く、さらにホームページなどのウェブサイトでも同様にて、厚生労働省の専門委員会でも整復師の広告の制限強化が問題になっています。自由診療だから関係ないという意見もありますが、柔道整復師の業務は医療です。健康保険の取扱いの有無によらず、医療機関として広告制限の意味を理解し、患者さんを困惑させたり、トラブルにならないよう整復師法の範囲にて広告等を行うべきだと考えます。 また、不適切な広告の取り締まりは急務だと考えますが、しかし、行き過ぎた制限(行き過ぎた広告規制について 参照)で整復師苛めのような規制となっては困ります。こうした理不尽な指摘には今回の照会事案の先生ように、しっかりとした対応をして頂きたいと思います。

 

また昨年から「医療法等の一部を改正する法律の公布について(通知)」(平成 29 年6月 14 日医政発 0614 第6号)が施行され、これは特に医科・歯科の自由診療部分あたる美容医療の広告等に対して消費者トラブルの増加に伴い法的規制を強化するもので、整復師法にも触れられており、今後、整復師にも自由診療も含め規制強化が図られることになると思いますので、今一度、不適切な看板・広告等はどのようなものか下記ガイドラインを参考に確認をしてみてはいかがでしょうか。

 

 参考資料 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針

 

 参考資料 医療広告ガイドライン



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