十和田市生活保護受診妨害問題
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十和田市生活保護受診妨害問題

2019年09月14日(土)5:24 午後受診妨害, 生活保護

 今回の事案は日本接骨師会会報7月号に掲載された生活保護の受診妨害事案です。生活保護担当者の不勉強、不適切な対応にて整復師受診妨害、患者の医療選択権侵害が再発した事案です。各先生方の地元でも担当者の交代などで周知されていないことも多いのではないかと推測されますので、本事案を参考に一度、ご確認することをお勧めします。

 

問題の概要

 この度、青森県十和田市福祉事務所においてケースワ一カーが患者の希望する接骨院への受診を認めず、給付要否意見書すら発行せずに自費診療を促し、整復師より指摘された後も医療機関受診を指導するなど、医療選択権を無視する問題がありました。本問は平成19年6月19日青森県健康福祉部健康福祉政策課へ「十和田市の生活保護患者の柔道整復師受診対策に関する要望(→資料1があったにも関わらず、担当者の交代による理解困難のお粗末が再発を招いたもので、行政の怠慢と担当者の理解不足による原因でこの事案が発生する都度、注意をしなければならないことが問題でその取組みの報告です。

 

福祉事務所の対応問題

被保護者は人工透析後に帰宅したが、めまいがして転倒した際に受傷し接骨院の施術 を受けたが、その日は週末の為、福祉事務所には行けず、週明けに十和田市福祉事 務所を訪れ、給付要否意見書の発行を求めたが、福祉事務所職員は自費診療を促し、給 付要否意見書を発行しませんでした。その後、被保護者が接骨院を訪れ、これまでの治 療費を自費にてお支払いしますとのことで、接骨院としては医療扶助の対象と考えられることから十和田市福祉事務所に電話にて給付要否意見書の発行が出来ない根拠と証拠 を求めました。翌日になってから生活保護手帖より抜粋した「あん摩•マッサージの承 認基準」をFAXにて送信してきましたので、当該傷病が医療扶助該当であることを説明するも反対に「柔道整復って何をする所ですか」等と質問され、「柔道整復」について 説明するが理解困難で、行政の認識不足が浮き彫りになりました。

福祉事務所担当者は被保護者に再度確認が必要とし被保護者宅を訪れ、タクシーで整形外科へ通院するように求めました。しかし、被保護者は福祉事務所の考え方に納得せずに歩いて通える自宅近くの接骨院への通院を強く希望し担当者の誘導に従うことなく、 三日間も要し、ようやく給付要否意見書が発行されたという事案で次のような次第です。

 

照会と回答の概要

平成31年1月4日
十和田市福祉事務所長宛に事実確認の為に照会文を送付。

 

平成31年1月9日
十和田市福祉事務所より回答。「十市福第618号(→資料2) 」

「資料2」の誤解
「厚生労働省社会•援護局保護課長通知を踏まえ、病状の聞き取りを行い支給の可否を検討し、給付要否意見書を発行しています。」とする上記回答の「給付要否意見書」は医師や整復師が患者の傷病を証明するために必要な文書であり、それを医師の診断が無ければこの発行を不可とする回答の失当である。

 

平成31年1月16日付

前記の理由により十和田市福祉事 務所宛に再度照会

 

平成31年1月25日付 十和田市福祉事務所から「給付要 否意見書の発行について再照会に対 する回答」。「十市福第647号十和資料3)

 

再照会1

生活保護手帳第3医療扶助実施 方式「7施術の給付」によると「申請があった場合には、給付要否意見 書に必要事項を記載の上、すみやか に指定施術機関において所要事項の 記入を受け、福祉事務所長に提出するよう指導して発行すること。」と なっておりますが、十和田市福祉事 務所では、「病状の聞き取りを行い支給の可否を検討し給付要否意見書を発行しています。」としておりま す。これは十和田市福祉事務所が医 療扶助実施方式(生活保護手帳)と異なる取扱いで、この根拠をご説明 願います。

 

回答1(再照会1について)

先に回答したとおり、当福祉事務所では被保護者から施術の給付申請があった際には、次のことを根拠に対応しております。

①生活保護医療扶助運営要領第3医療扶助実施方式7施術の給付

②平成23年3月31日社援保発0331第7号「柔道整復師の施術に係る医療扶助の適正な支給について」厚生労働省社会_援護局保護課長通知 施術の給付にあたり、その範囲や手続きについて示されており法制度において画一的 な給付要否意見書の発行を求めているとは解しておりません。そのため、給付の対象と なりうるのか予め状況の聞き取りなどを行っているものです。なお、今後とも聞き取り が不十分とならないよう留意してまいります。

 

再照会2 (「回答1」に対する照会)

「回答1」は「施術の要否」に対し整復師に照会することの不知や無視の疑問と被保護 者が仕方なく自費診療を申し出た場合、十和田市では「自己のやりくりにより自費診療 を受けることは最低限度の生活の需要を満たす範囲内においては、差し支えがあるもの と考えておりません。」と回答されましたが、神奈川県海老名市では「治療に一般生活費を充てるというのは適当でない。」という見解があります。十和田市の見解が正しい根拠 をご説明願います。

 

回答2 (照会2の回答)

先の回答については、給付の対象とならない単なる肩こりや筋肉疲労に対する施術における自費診療に対する考えを述べたものです。必要な診療等については法制度に基づき適切な取扱いに努めているところです。

回答2の疑問

上記回答の「必要な意見」を柔道整復師に求めるべきものを無視する誤りで、十和田 市福祉事務所は医療扶助実施方式と異なる取扱いをしていることが明らかであり、青森 県健康福祉政策課保護•援護グループへ「十和田市福祉事務所における適正化の要望」(平 成31年1月30日付)を郵送し、十和田福祉事務所への指導を委ねることと致しました。

 

平成31年3月14日青森県健康福祉政策課保護•援護グループマネージャーより「十和田市から了解を得られた。」旨の電話連絡あり。

 

平成31年3月14日十和田市福祉事務所宛に再々照会する。

 

平成31年3月22日十和田市福祉事務所から回答が届く。「十市福第781号(→資料4

 

 

生活保護制度について十和田市福祉事務所の対応に疑問を抱き、(協)日本接骨師会十和田支部として平成30年1月4日に照会するも平成31年1月9日付「十市福第618号」 により「病状の聞き取りを行い支給の可否を検討し、給付要否意見書を発行しています。」 と回答されたことの間違いが確認されました。

 

※次回、本事案の総括として、当会保険部長の「生活保護制度健全化の一歩前進」も大変参考になりますので、ぜひ、ご一読ください。

 



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