「応急手当一回(限定)」の誤解
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「応急手当一回(限定)」の誤解

2016年02月02日(火)4:40 午後受診妨害

今回の事案は、「応急手当ては一回のみ」それ以外は「医師の同意を得るまでは認めず保険対象外、いわゆる自費扱い」とするということです。

勿論、患者はケガの治療を第一に考え、速やかに医師にかかり同意を得るべきですが、患者にもそれぞれの仕事や家庭の事情、かかりたい医療機関などの都合により医師受診が遅れることがあります。その間、整復師が傷病の経過を観察し、固定の確認や、指導、助言をすることにより、症状の悪化を防いだり、患者の不安を和らげたりすることは、患者にとって有用なことです。そういった事案に対し、医師の受診を受けるまでの患者の事情、都合は全く無視し、療養費を一方的に不支給とし、これ以外は絶対に認めないとすることは、保険者権限の乱用なのです。患者の意思を出来る限り尊重し、これらの事を理解して、保険者はケース・バイ・ケースで柔軟に対応することが求められます。

柔整復師法17条には「柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りでない。」と規定されています。まず、この17条自体が患者のためになっているか? いろいろな意見があると思いますが、我々日本接骨師会では「レントゲン問題」を含めこの「17条」を見直すべきとして活動をしています。

骨折・脱臼だけではなく捻挫、打撲その他、スポーツ外傷等も含め、医師に任せるべき傷病と、柔整師でも特性を生かして治療できるものを判断し、その上で、患者が自由に医療選択するものだと考えています。とはいっても現行の法律は守らなければいけません。

「骨折、脱臼は応急手当てを行った後、速やかに医師の同意を得てから整復師の後療を受ける」ことになっていますが、「応急手当て」は法律的にその内容を細かく規定していません。もちろんその回数も規定されていません。

本事案は整復師にかかった患者が迷惑、困ってしまうといった事態を解決することと、このような保険者の失当は、従来よりすでに当会では繰り返し注意し、その都度、適宜対応とされていますが、残念ながら今回また発生しました。この誤解を再発させないための取り組みです。

 

 

 

概要

 

平成26年

5月13日 患者A 右前腕骨骨折にてB整骨院受診

 

 

 

5月17日 医師受診 同意をもらう

 

 

 

この間、5/14, 15, 16日 B整骨院通院するも、同意日前のため保険給付の対象外とされる。 →資料1

 

 

 

9月19日 B整復師、この取扱いを不服とし所属団体に相談するも、「過去には認められた例もあるが、現在は困難」との回答があり →資料2

 

 

 

11月15日 B整復師より日本接骨師会へ解決の要望。

 

※通常は、所属団体での解決をお願いするが、今回は、当会が従来より行政や保険者に対し注意をしてきているが、それが徹底されていないため今回の取り組みとなりました。

 

 

 

平成27年

 

3月27日 東京都国民保険課への要望 →資料3

 

 

 

6月30日 東京都国民保険課への再度の要望 →資料4

 

 

 

日本接骨師会の要望に対し、都で予定している関係保険者への「柔道整復療養費説明会」にて「応急手当て1回限定ではない」との報告説明を行うとの連絡があり。 →資料5

 

 

 

本事案では、国保課に対し当会からの「他団体からも苦情や要望があるだろう。」という問いに対し「他団体からの声はありません。」との回答でした。 

 

本事案では東京都においても「応急手当て一回限定の誤り」にご理解頂けたことに感謝とお礼を申しあげます。



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