生活保護制度健全化の一歩前進
前回掲載しましたように、個々の先生の不断の努力にて生活保護受診妨害問題などの諸問題を減らしていくことができます。
今回は、前回「十和田市生活保護受診妨害問題」にて度々記されている、「医療扶助実施方式」と本問ついて、当会保険部長の総括を掲載いたしますので、ぜひ、ご参考にして下さい。
※生活保護手帳とは
「わが国の社会保障制度、最後のセーフティネットである生活保護制度。 本書は、生活保護行政の運営・実施に必要な、保護の基準、保護の実施要領、医療扶助・介護扶助運営要領等を収載した、生活保護行政職員必携の一冊である。 実務で使いやすいように関係法令・通知を整理した。 」(中央法規出版HP・2013年度版より)
生活保護手帳 第3 医療扶助実施方式
問20及び問20の2答にあるとおり「打撲または捻挫の患部に手当する場合、医師の 同意は不要。」「被保護者から柔道整復による施術の給付申請があった場合には、福祉事 務所は、施術の給付要否意見書に必要事項を記載の上、指定施術機関において給付要否 意見書の所要事項の記入を受けさせ、必要に応じて、医師の同意を求めるべきである。 設問の場合、指定施術機関での施術を希望する被保護者に対して合理的理由なく、事前 に指定医療機関を求めることは適当ではない。」と説明されているにも関わらず、十市福 第647号平成31年1月25日付にて「法制度において画一的な給付要否意見書の発行 を求めているとは解しておりません。そのため、給付の対象となりうるのか予め状況の 聞き取りなどを行っているものです。」とする考え方の根本的な「接骨院の不知」の再度 の疑問を呈することになりました。
予め状況の聞き取りなどを行う状況確認の必要と、だが、その患者の状態を知るため に給付要否意見書をすみやかに医師や柔道整復師に発行し、照会し、福祉事務所に対しての記載報告で、その給付要否意見書に基づき施術の給付が必要であるかどうかを判断する材料となるもので、それを、施術を希望する者に対して、一律に医療機関を受診するよう指導することは医療扶助の運営において適切な取扱いではないのは勿論のこと、被 保護者には受診を妨害し医療選択の自由を阻害し、柔道整復師には営業妨害を惹起する 事案で、これ以上は十和田市福祉事務所とのやりとりは意味がないと判断し、青森県健 康福祉政策課保護•援護グループから指導していただいた結果、「申請があった場合には、 給付要否意見書はすみやかに発行し給付の要否判定を行うための判断材料とする。」こと に異論はありませんとの結論に至りました。
なお、十和田市福祉事務所回答より「柔道整復師の施術を受けた件数5件」を鑑みて も給付要否意見書の発行についての疑義がありますので、今後、担当者交代でも再発防 止で「医療扶助実施方式」が正しく運営されるように注意が必要と考えます。