自賠責保険 当社基準強要問題による受診妨害
今回も交通事故による自賠責保険の取扱いにつき、損保会社より当社基準に従わなかったとして、当該整骨院を差別扱いし、かつ、当社基準以外は治療費を支払わないとした事案です。
その手法は、患者に「当該整骨院は損保会社と契約をしていないから自賠責保険の取扱いが出来ない」として患者に他院への転医を勧める、優越的地位の乱用、受診妨害、名誉毀損の問題です。
<概要>
平成28年7月 整形外科受診。
翌日、患者より損保会社へA整骨院への転医を申しでたところ、担当者より「当該整骨院とは契約を結んでいないので、自費で治療費を支払い、領収書を貰ってください。他の整骨院なら通常通りの扱い(窓口負担なし)で大丈夫です。」との対応をされる。
また、同年10月にA整骨院へ転医受診した別の患者に対しても、同損保会社より「A整骨院とは取引がないので、治療は11月で打ち切りって下さい。」といわれ、両件とも困った患者が整復師に相談し問題が発覚する。
整復師より損保会社へ理由を確認したところ、「以前、同損保会社の取扱いの件で、三部位目逓減の当社基準に従わなかったことが原因」と判明する。今回も患者には、三部位目の逓減分を差し引いた金額を支払い、逓減分は患者負担とし、今後も当社基準以外は認めないとした為、当会に相談した。
<本件の問題点>
①自賠責保険の三部位目逓減
三部位目の逓減は健康保険での基準です。自賠責保険は自由診療ですが、必要かつ妥当な実費として労災保険を基準にして算出している場合が多いです。その労災保険には三部位目の逓減はありません。同じ治療ですが、原因の違いにより保険の意味が違うからです。
本件、自賠責保険の場合、その費用の負担は誰がするのかを考えれば「患者」でもなく「整復師」でもありません。
②当社基準の強要
この軌跡にも度々紹介していますが、自賠責保険の算定基準として損保会社の基準もその一つですが、あくまでも自由診療ですから、必要かつ妥当な実費の範囲において自由に設定できるはずです。それを全く認めないとする損保会社の傲慢な姿勢の問題です。
③受診妨害、名誉毀損
当社基準に従わなかったとして、自賠責保険の取り扱いを妨害し、患者に他の整骨院を勧めた行為は、受診妨害、名誉毀損に当たります。
平成28年10月 当会より損保会社へ電話と文書にて「整復師医療に対する誤解と偏見・蔑視による受診妨害
防止の要望」 資料1
平成29年1月 損保会社会議室にて会長、保険部長、当該整復師と損保会社サービス課、課長等と「交通事
故患者の受診妨害の注意と再発防止の懇談」
平成29年2月 担当課長より謝罪あり、全額入金となる
平成29年3月 損保会社より再発防止についての報告あり 資料2